「カゴ落ち」とは、商品をカートに入れたままの状態でECサイトから離脱してしまい、購入に至らなかった現象を表す言葉です。
カゴ落ちの発生確率が高ければ高いほどユーザーの購入機会を数多く失い、多額の売上を逃していることにつながります。
当記事では、カゴ落ちの発生原因や確率、具体的な改善方法を解説します。
カゴ落ち率を減らし、ECサイトでの売上向上を目指しましょう。
ECサイト上でのカゴ落ち発生率は、株式会社イー・エージェンシーの調査で約64.7%、米国企業Baymard Institute社の調査で約70.2%と、いずれも約65%から70%を示しています。
また、カゴ落ちを通じて発生する機会損失額は売上の約2.0倍にものぼるとされています。
つまり、カートに商品を入れたユーザーが月間3,000人、売上500万円の場合、約1,941人は商品を購入しておらず、約1,000万円分もの機会損失が発生しているということになります。カゴ落ち率を改善することで、機会損失額を減らし、その分の額を売上に加算することができます。
<調査報告>ECサイトのカゴ落ち率は平均は約64.7% ~ イー・エージェンシー
調査期間:2021年4月~2022年9月
調査対象:850サイト
調査方法:売上は送料等は含まない金額にて算出
カゴ落ちが発生したユーザーは購入を一度は検討しているため、全体のサイト離脱者と比較すると商品を購入する可能性はより高いユーザーだと考えられます。見えない場所で発生しているとはいえ、放置するには勿体ない損失です。ECサイト運営者にとって、カゴ落ちの機会損失を把握して適切なアプローチを働きかける施策は売上向上に必須といえます。
カゴ落ちを減らす施策に取り組む前に、正確なカゴ落ち率を算出して把握しましょう。
カゴ落ち率は、以下の計算式で求められます。
カゴ落ち率=(1-購入完了件数÷作成されたカート件数)*100
カゴ落ち率は上限が100%のため、上記のように1から購入された割合を引き、その後百分率に直すと計算がしやすいといえます。
また、期間中にカゴ落ちが発生した件数がわかる場合は、計算式を置き替えて求めることができます。
例えば、前述の例を使用すると、カートイン数が3,000件、カゴ落ち数は1,941件です。
以下計算のように、カゴ落ちが発生した件数を全体の件数で割り、百分率に直すことでカゴ落ち率の数字が算出ができます。
1,941 ÷ 3,000 * 100 = 64.7
正確なカゴ落ち件数が把握できている場合は、この方法を使えば計算が少し簡単になります。
前述の通りカゴ落ち率の平均値は約65%から70%です。それよりも高い数値が出ている場合は、特に改善する必要性が高いといえます。
カゴ落ちが発生してしまう原因はどこにあるのでしょうか。
送料を含む費用や購入にかかる手間など、ECサイトならではの特徴がカゴ落ちにつながります。自身のECサイトにはどの原因が当てはまるのか、以下の項目を確認しましょう。
支払いの合計額がユーザーの想定よりも高いことが原因で、カゴ落ちに至ることがあります。
表示されている商品価格を想定してカートに入れたユーザーにとっては、決済画面で初めて追加料金が発生すると割高に感じるでしょう。
特にECサイトでのオンライン決済では、送料やシステム手数料が商品価格に上乗せされる性質があります。購入直前の画面で追加料金の存在が初めて伝わることで、想定した金額とはかけ離れているという印象をユーザーに与えてしまい、カゴ落ちにつながります。
購入までに多くの手順や時間を要すると、サイトを離脱したカゴ落ちにつながります。
カートに入れてから購入完了に至るまでのプロセスが多いとユーザーへの負担が大きく、そのまま購入をやめてしまうことがあります。
具体的には、アカウント作成が必須でメールアドレスの認証や個人情報の入力に時間がかかり、面倒だと感じたユーザーに離脱されるケースが挙げられるでしょう。いつでも手軽に購入できることはECサイトのメリットである一方、購入までのプロセスが多すぎるとかえって不便に感じられるのです。
クレジットカード情報の入力に抵抗感があることでカゴ落ちに至る場合があります。
購入に必要なクレジットカード情報さえあればどの店舗でも決済できてしまうため、情報管理に不安を抱いたユーザーは離脱してしまうということです。
特にカゴ落ちにセキュリティが脆弱なECサイトでは、外部からの攻撃を受けクレジットカード情報の流出や不正利用を招くリスクが存在します。クレジットカード情報を入力しても問題ないサイトだと信用されなければ、カゴ落ち率は増加してしまうでしょう。
そもそも購入を真剣に検討していたのではなく、単にサイトを閲覧しただけというパターンも存在します。ECサイトには誰でも簡単にアクセスできる手軽さがあり、最初から購入意欲を持たないユーザーでも商品をカートに入れられる仕組みです。
ただ、購入するつもりがないユーザーでも、サイトを閲覧していたことから商品への興味自体は持っていると考えられます。そのため、訴求の工夫次第では新規購入につなげられる可能性があります。
続いて、カゴ落ち率を改善するための方法を4つ解説します。
前段を参考にして発生原因を突き止めた上で、以下の手段を実践してみましょう。
カゴ落ち率を改善できれば、機会損失していた分の売上を得られます。
送料や各種手数料の追加料金をなくして商品価格のみが費用としてかかるように変更すれば、カゴ落ち率の改善につながる可能性があります。
商品ページで見た価格をそのまま支払うなら、かかる費用がユーザー目線で明確に分かります。カートに入れてそのまま購入しやすくなるでしょう。
また、各種料金の免除が難しい場合であっても、具体的な金額を商品ページで事前に示しておけば、追加費用が簡単に伝わる設計にできます。
購入までに要する手続きの数を減らし、ユーザーへの負担をなくすことも有効です。
前述の通り、購入の前に必要な手続きが多いと面倒に感じられ、そのままサイトを離脱してカゴ落ちを引き起こすおそれがあります。
対策として、アカウント登録を必須ではなく任意にすると、初めて訪問したユーザーがゲストとしてすぐ購入手続きに進める仕組みを作れます。
また、初めて入力した個人情報を次回の購入画面に引き継ぐ設定の導入もおすすめです。
代金引換や電子マネーなど、クレジットカード以外の支払い方法でも決済可能なECサイトなら、より多くの人が購入するでしょう。クレジットカード情報の入力を不安に感じるユーザーに対して、他の選択肢を用意することでカゴ落ちを防げる可能性があります。
また、そもそもクレジットカードを持っておらず、これまで購入できなかった新規のユーザーを取り込むことにもつながります。
カゴ落ちが発生したユーザーに対して、サイトへの再訪を促すために「カゴ落ちメール」を送信することも方法のひとつです。前回カートに入れていた商品を提示し、リマインドを働きかけることでユーザーの興味を再度引き起こして購入につなげることが目的です。
さらに、カゴ落ちメールの送信に特化したツールを利用すれば、ユーザーの特徴に合わせた効率的なメール送信が実現できます。以下の記事では、カゴ落ちメールの効果的な活用法を解説しています。是非とも参考にしてください。
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「コンバージョンに繋がるステップメールの設定とは?」
「カゴ落ちメールを複数通送る時に効果的な内容とは?」
ここまで解説したカゴ落ち率を分析するには、どのような方法が効率的なのでしょうか。
効率的な分析には、カゴ落ちに特化したMAツールを利用する方法がおすすめです。
MAとはマーケティングオートメーションの略称であり、顧客情報の管理や集計の業務が自動化されることを指す言葉です。
MAツールを利用することで、カゴ落ち率や機会損失の状況が分かります。
その分析データを踏まえてECサイトに修正を施し、カゴ落ち率の改善を目指しましょう。
また、イー・エージェンシーでは、カゴ落ち特化型MAツール「CART RECOVERY®(カートリカバリー)」をサービス提供しています。カゴ落ち率や機会損失額の具体的なデータを可視化して把握できる機能を備え、ECサイトにおけるカゴ落ちの分析に便利なツールです。
CART RECOVERY®には、カゴ落ち率の可視化だけでなく、以下の優れた特徴があります。
当記事では、カゴ落ちの発生原因やカゴ落ち率の改善方法を解説しました。
カゴ落ち率が高いと大きな機会損失を生み出し、潜在的な売上を逃すことにつながります。
カゴ落ち率の平均値は約65%から70%ですが、それ以下のカゴ落ち率の場合でも改善をしていくと効率良く売上へと繋がります。
改善のためには、カゴ落ち率と機会損失の分析が可能なMAツールを利用し、結果を踏まえたECサイトの改善策を講じることが効果的です。是非ともこの機会に、イー・エージェンシーのカゴ落ち特化型MAツール「CART RECOVERY®(カートリカバリー)」の導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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