岐阜の日本最古の老舗蜂蜜問屋である秋田屋本店の通販部門責任者・丸山様と、ショップの運営・出荷・サポートに従事されている高木様のお二人に、EC運営に対する思いと、初のMA/CRMツール導入からメルマガ配信経由の売上が10倍以上に伸びた秘訣をお伺いしました。また、秋田屋本店のEC運営や、「お客様との重要なタッチポイント」として考え設計されているメルマガの成功のポイントについても詳しくお聞きしました。
<お話を伺ったご担当者さま>秋田屋本店様:秋田屋本店は1804年に初代中村源次郎が材木商を開いたのがはじまりです。その後、社名の由来となった秋田杉を使い、巣箱などの養蜂器具を製造したことをきっかけに、日本で近代養蜂が始まった頃から養蜂に携わってきました。
現在、近代養蜂発祥の地となった「岐阜」から、日本最古の蜂蜜屋として新たな挑戦を続け、はちみつの可能性を拡げています。
秋田屋本店様:元々は業務用がメインでBtoC(一般消費者向け)は行っていなかったのですが、数年前から一般の方向けの蜂蜜屋として蜂蜜の加工品販売を始めました。純粋な蜂蜜の販売は様々な会社が先行していたため、他ではあまり見られない蜂蜜を使った加工品をメインにしています。
秋田屋本店様:そうですね。蜂蜜には「甘味を足す」という機能的な役割だけでなく、はちみつ入りというだけで「何かしあわせな感じがする」「ちょっと良さそうなものになった気がする」など、情緒的な価値を付加できるというのが他の素材にはない特徴だと感じています。
しかもスイーツからドリンクまで幅広くどんな素材と組み合わせても「しあわせ感」「ちょっといいもの」というイメージを付加できるため、弊社では蜂蜜を「ワクワク感を加えられる調味料」と定義し、その魅力を活かした商品展開を行っています。
秋田屋本店様:もともと蜂蜜を購入される方は50代以上の方が多く、「体に良い」「優しい味」「ほっとする」といったイメージを持っている方が多くいらっしゃいますので、そうしたものも大切にしながら、純粋なはちみつに馴染みの薄い若い世代の方にも『見て食べてワクワクする』商品を提供することで、蜂蜜を身近な存在として感じてもらいたいと考えています。
秋田屋本店様:ブランドでの課題は主に2つありました。1つ目はリピート施策です。新規顧客は様々な媒体から取れていましたが、リピート顧客の施策がほぼ手付かずでした。何を始めればよいか迷いながらも、リピート施策の重要性を感じていました。
2つ目は効率性です。以前からメルマガを配信していましたが、週に1回、新しい商品の案内や再入荷の案内など、ありきたりなお知らせの配信で手一杯でした。
手動でセグメントしたり、誕生日クーポンの配信など、手作業が多く、あまり多くの施策は実施できずに毎日コツコツ行っていました。
そのため、「自動化したい」という思いはありつつもリソースが限られている中で効率的に運用する方法がわからない状況でした。
秋田屋本店様:これはCRMに限った話ではないのですが、当社では何か施策を考える時に、お客様起点で全てを考えるようにしています。今回のCRM施策の場合でも、まず「どんなツールを使おうか」ではなく「リピートしたくなるのはどんな時なんだろう」というお客様の立場から考え始めた時に、やはり新商品やキャンペーン、お得情報など新しい情報を知った時が一番アクションを起こしやすいのではないかという結論に至りました。そうなると実店舗を持たない私達としては情報を届ける『頻度』『人数』『コスト』等を考え、配信系施策が主な手段として候補にあがってきました。
当時、社内には「メルマガはオワコン」という風潮があったのですが、お客様が欲しているのは情報であり、届ける手段は内容さえお客様にとって有効なものであればしっかり伝わるのではないかと発想の転換をした時に、むしろメルマガが最も有効な手段なのではないかという結論に達し、まずはメルマガ中心にCRMを整備していきたいという思いに至りました。
※オワコン…「終わったコンテンツ」を略した表現として用いられるインターネットスラング。
もちろんLINEも検討にはあったのですが、LINEは「1通ごとにいくら」といった配信制限がある一方で、メルマガは定額で多量の配信を実現しやすい点が、お客様とのタッチポイントとして多く活用できるのではないかと思い優位性を感じました。
秋田屋本店様:DATA CASTの導入の決め手は、手軽さと費用面です。
futureshopとの連携が容易にできる、連携オプションのサービスを中心に検討していたところ、すでに導入していたfutureCartRecoveryがDATA CASTと連携開始したという案内をみて、興味を持ち問い合わせしたのが始まりです。
futureshopとのデータ連携作業も自動でされるため、導入のためのシステム工数は一切かからず、さらに実際に管理画面を触ってみると、メルマガ作成や設定の手軽さから、最初の施策は5営業日ほどで設定できました。導入はかなり短期間で行えたと思っています。
費用面についても、他サービスと比較すると初期費用も抑えることができ、月額費用も従量課金のため規模に合わせて始められるというのが良かったです。
秋田屋本店様:「メルマガはオワコンではない」という判断をしたここまでのお話で、「本当にメルマガに効果があるの?」と疑問に感じていた方々にも、少し勇気を持っていただけたのではないでしょうか。実際、メルマガは適切な方法で配信することで、売上を大幅に伸ばすことが可能です。私たちも、メルマガとその他の効果的な施策を組み合わせることで、実際に売上を大幅に向上させることに成功しました。
CRM導入前は、メルマガを配信しても10万円程度とあまり効果が見えない状況でした。しかし、現在ではメール施策だけでなく、さまざまな施策でお客様と接点を増やすことで、結果的にメルマガの開封率を40~50%に向上させ、売上も立っています。一配信で数万人にアプローチできるメルマガの開封率がそれだけ変われば、売上全体へのインパクトも大きくなりますので、本当にやり方次第で、メルマガに力を入れる理由になると感じています。
具体的な施策としては、「データの活用」と「コンテンツの改善」を行っています。DATA CASTは、配信したメールの開封率が何%で、クリック率が何%かということを細かく追えるので、分析がしやすいと感じています。施策を試行し、数字検証を行うことで、効果があった施策を見つけ、次のさらなる施策に繋げています。
また、配信後の開封率やクリック率を細かく追跡し、どの施策が効果的であるかを分析しました。
例えば、再入荷の通知に対する反応を見て、次の施策に反映させることで、より高い効果を得ることができました。さらに、週に1回の定期配信に加え、特定の条件を満たした際にステップ配信を行うことで、月に80万円程度の売上増加が見られました。ステップ配信はタイミングと内容を工夫することで、効果を最大化しています。
特定のステップ配信だけで売り上げが上がっているというような突出したものはありませんが、「お客様に必要な情報を、必要なタイミングで的確にお送りする」ことを考えて配信することで、月に80万円ほど上乗せできているので、ここを追求して行ければ、さらに増やしていけるのではないかと感じています。
秋田屋本店様:やりたいと思ってはいたものの、作業量のハードルがあり、なかなか始めることが出来ずにいました。しかし普段メルマガを配信している中で、「お客様が満足する、もらって嬉しい、お客様からうざったいと思われない内容」を検討しているうちに、自然とシナリオ配信を取り入れるようになっていました。
「メルマガはお客様との最大の接点であり、反応してもらえるかどうかは、秋田屋の接し方次第だ」と再認識しました。
実際にDATA CASTで配信してみると、ノーコードで簡単にHTMLメールを作成できるので、作業が容易になりました。ステップ配信を組むことはもちろん、ポイントを持っている人・持っていない人、などのセグメント分けも直感的に行うことができます。慣れていくにつれて、やりたかった施策に取り組むことができ、結果がついてきました。
秋田屋本店様:自動化ができるとはいえツールなので、導入したらうまくいくというものではなく、重要なのは「コンテンツの質」と「PDCAサイクルの実践」だと思っています。
日々の取り組みにおけるポイントは大きく3つありますね。
1.コンテンツの作成やキャンペーンの管理方法: 2.運用する中で意識していること: 3.コンテンツ作成のコツ: |
どういった内容を配信するのか、という点が大事であって、その他の部分は自動で配信がされるように設定できるのですから、内容の部分に時間をかけ、読者にとって価値のある情報を提供することが不可欠だと思います。
また、配信して終わりではなく、仮説を立てたことに対して、どこがうまくいったか、そうでないかを数字で検証し、改善点を見つけてPDCAサイクルを回すこと。
当たり前なのですが、これをしっかりやることが大事な部分かなと思います。
これを継続的に行うことで、メルマガの効果を最大化できていると感じます。
秋田屋本店様:メルマガで十分なタッチポイントを持っていると感じています。開封率が平均で40~50%あるので、配信ごとに多くの方にアクションを促せている状況です。
配信数を増やすことよりもどういう内容を配信していくかが重要だと感じています。そこに関して、日々さまざまな視点から考えていかなければなりません。
秋田屋本店様:メルマガのベースが整ったので、次はLINEにも着手したいと考えています。
LINEに関しては、CRMツール検討時の課題でもありましたがやはりコストがかかりがちなので、配信数を抑えつつ、どう効果を高めていくかが課題だと感じています。
LINEで一斉配信するのはどうしてもコストがかさむので、「メルマガ配信を中心にして、反応がないところにだけLINE配信する」など、コミュニケーションの方法を模索する必要があります。コストの検討が必要な中でいかにお客様に届けるかを、DATA CASTを活用しながら考えていかなければならないと感じています。
普段の配信についても、LINEで一斉配信するのではなくメルマガと組み合わせて配信したり、カゴ落ちLINEもできると聞いているので、それらも活用できるように検討していきたいです。
引き続きDATA CASTを活用し、コストを抑えつつ効果的なコミュニケーション方法を模索していきます。普段の配信も工夫し、より多くのお客様と接点を作っていけるよう考えていきます。
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