インバウンド(Inbound)とは英語で「入ってくる・内向きの」という意味の言葉です。転じて、観光分野では外国から日本に旅行者が入ってくることを指します。
インバウンド消費とは、インバウンドによって国内で行われる消費活動です。
本記事ではインバウンド消費について、概要や注目される背景を解説し、なかでもインバウンド消費によって、需要が高まっている体験型観光コンテンツを解説します。
はじめにインバウンド消費とは、インバウンドによって日本国内に生み出される消費活動です。例えば、外国人旅行者が日本国内で行う買い物や宿泊、飲食などが代表例として挙げられます。
観光客だけでなく、国際会議への出席が目的で訪日する外国人による消費もインバウンド消費の一部です。
また、これらのインバウンド消費を見込んで訪日外国人へとアプローチするビジネス全般を、インバウンドビジネスと呼びます。
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少子高齢化によって人口が減少傾向にあり、日本国内の消費活動は低下しつつあります。そのような状況で、インバウンド消費は日本経済における成長戦略の重要な柱とされ、さまざまな企業や団体がインバウンド対策を策定してきました。
そのような中、2020年以降、インバウンド消費は新型コロナウイルス感染症の影響で著しく落ち込みましたが、その後の制限緩和によって再び活発化しています。また、インバウンド消費へ向けた注力は地方を再生する活動とも通じる面が多く、国や地方自治体の動きも積極的です。
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インバウンド消費が増えると、国内市場が活発化して新たな雇用の創出も見込めます。
前述の通り、2020年からの数年間、新型コロナウイルス感染症の影響で、訪日外国人旅行者の数は落ち込んでいましたが、現在は回復傾向にあります。日本政府観光局の調査によると、2023年12月の訪日外国人旅行者の数は273万4,000人で、2019年12月の252万6,000人を超える数値となりました。
また、観光庁の調査では、2023年10-12月期の訪日外国人旅行消費額は1兆6,688億円で、2019年同期比で37.6%増加しています。
訪日外国人旅行者数の回復によるインバウンド消費の再拡大は、大きなビジネスチャンスにつながるでしょう。
インバウンド消費の種類は「モノ消費」と「コト消費」の2つに大きく分けられます。ここからは、それぞれについて解説します。
モノ消費とは、商品やサービスを所有する価値に重きを置いた消費行動です。
対象には食品・生活用品・ファッション・趣味嗜好品などがあり、具体的な品目例は以下のとおりです。
コト消費とは、商品・サービスの体験を重視する消費行動です。
インバウンドにおけるコト消費の対象となる商品・サービスは体験型観光コンテンツと呼ばれ、注目を集めています。具体例は以下のとおりです。
実は、インバウンド消費におけるモノ消費は、以前と比べて減少しています。以下のグラフにおける訪日外国人旅行者の消費額構成比を見ると、宿泊費がもっとも多く、次いで買い物代、飲食費の順です。
2019年と2023年を比較すると、宿泊費の比率が増加し、買い物代の比率は減少していることが分かります。今後のインバウンドビジネスにおいては、コト消費が重要になっていくと考えられるでしょう。
コト消費では、特にその地域ならではの体験型観光コンテンツが消費額全体を押し上げています。
ここからは、アフターコロナの今注目されている体験型観光コンテンツについて解説します。
アドベンチャーツーリズムとは、アクティビティ・自然・異文化体験の3要素のうち2つ以上で構成される旅行です。自然の中でアクティビティや異文化体験をし、地域にくらす人達との双方向のふれあいを楽しみながら、その土地の自然や文化への理解を深められます。さらにそれだけではなく、今まで出会ったことのない体験価値に触れることで、旅行者が自身の新しい一面を発見でき、時には内面の変化や視野の拡大といった自己変容を促すという側面もあります。
具体例は以下のとおりです。
アドベンチャーツーリズムは欧米豪の富裕層からのニーズが高く、滞在日数も多いため、外国人旅行者一人あたりの消費額の大きさが特徴です。自然環境や農林水産資源に恵まれている地方にとって、大きなビジネスチャンスとなり得る分野といえます。
自然や文化だけでなく、そこに暮らす人々の生活も価値ある観光資源です。そのような地域にとっての「日常」を反映したコンテンツは、外国人旅行者にとって魅力的な「非日常」の体験となります。
その一例として、徳島県西部の祖谷地域は、秘境に残る暮らしが体験できる「地域のストーリー」を生み出し、多くの訪日外国人客を集めてきました。妖怪伝説・かずら橋・吉野川の食体験・古民家宿泊など、地元の人々がまちおこしのアイデアを持ち寄って、魅力的なコンテンツを提供しています。
また、農山漁村地域の古民家や農家民宿などに長期宿泊しながら地域文化や農作業を体験する「農泊」も地域の日常を体験できるコンテンツの一つです。その地域に暮らすように宿泊できる滞在型観光のなかで、海外では見られない独自の文化や田園風景、四季折々の景色に触れることができます。さらに、多様な交流が生まれることで観光客のリピーター化も期待できます。
ビジネスチャンスとして注目されている体験型観光コンテンツを成功させるポイントは、大きく分けて3つあります。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
1つ目のポイントは、地域の独自性を活かすことです。外国人旅行者にとって、日本人の暮らしや地域独自の生活が体験できるコンテンツは魅力的といえます。外国人旅行者の知的好奇心を満たす新たな滞在の価値を生み出すために、地元に暮らす人々が語り部となり、住民の「顔」が見える魅力の発信をしましょう。
そのためには、伝統工芸の職人や地産地消の食材を作る生産者、自然体験ガイドなど、様々な分野の人が参加してコンテンツを磨き上げることが重要です。
体験型観光コンテンツを成功させる2つ目のポイントは、持続可能な観光を実現することです。現在、持続可能な社会を実現するために、世界中で多様な活動が行われており、観光業においてもその動きは活発です。
持続可能な観光はサステナブル・ツーリズムとも呼ばれ、国連世界観光機関(UNWTO)によると、観光・文化・経済において持続可能で発展性のある観光を意味します。
地域で体験型観光コンテンツを行ううえでは、地域の観光資源を地域に還元して、他産業への波及や住民の家計消費などの活性化につなげることが、持続可能な観光を実現します。
3つ目のポイントは、言語の壁を取り払うことです。
外国人旅行者へのプロモーションとして、地図や紹介文を載せた英語のホームページを作成することが有効です。また、対面で簡単な英会話ができるよう、ポータブル翻訳機や翻訳アプリを用意することもおすすめします。
英語を例に挙げましたが、場合によっては中国語や韓国語など英語以外の言語への対応も必要です。Webサイトを自動で多言語に翻訳できるサービスもあるため、活用するとよいでしょう。
新型コロナウイルス感染症が拡大した2020年以降落ち込んでいたインバウンド消費は、現在では元の水準近くまで回復しており、大きなビジネスチャンスとなり得ます。
インバウンド消費拡大のための体験型観光コンテンツにおいては、地域の自然や文化、日常を反映することで観光資源にできます。地域の独自性を生かしたうえで言語の壁を取り払えれば、外国人旅行者にとって魅力的なコンテンツの提供が可能となるでしょう。
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