コラム

外国人観光客から人気のスポットや観光周遊ルートを紹介!

作成者: shuttotranslation-support|2024年05月10日(金)

 

日本を訪れる外国人観光客の数は、2023年12月度は273万人超と、2019年(コロナ禍以前)の水準を上回っています。

2024年1月もコロナ禍前の旅行者数を上回っており、今後もますます外国人観光客数が増加するでしょう。
本記事では、人気のスポットや観光周遊ルートについて詳しくご紹介します。

外国人観光客から人気の高い観光周遊ルート

観光周遊ルートとは、観光客が日本各地の観光地をめぐる経路をモデル化したものです。多様なルートを用意することで、観光客にとっては、目的に合ったルートが選べるというメリットがあります。また、観光客の一極集中を防ぎ、各地に誘導・分散させる効果にも期待できるでしょう。
以下では、外国人観光客からの人気が高い観光周遊ルートについて、5つ紹介します。

ゴールデンルート

ゴールデンルートは、東京・箱根・富士山・名古屋・大阪をめぐる、伝統的な観光周遊ルートです。限られた旅費や日数で、大都市・歴史・大自然を効率的に体感できることが魅力です。
成田空港から日本に入国し、5日間から10日間かけて観光地を訪れ、関西空港から出国するという旅程が一般的で、逆に関西から関東方面へと向かうルートもあります。
落ち着いたペースで観光することが難しいというデメリットもありますが、外国人観光客からのニーズが高い場所を最短でまわれるため、根強い人気があります。

ダイヤモンドルート

ダイヤモンドルートは、東京から福島・茨城・栃木の3県をめぐる観光周遊ルートです。
鶴ヶ城・会津漆器・華厳の滝・日光東照宮・会津鉄道など観光スポットが多くあり、東京から短い距離を移動するだけで、日本の文化・歴史探訪やウィンタースポーツなど多様なニーズを満たせるため人気の高いルートです。

福島で制作されたプロモーション動画「ダイヤモンドルート・ジャパン」シリーズは、世界中から注目されており、ヒストリー・アウトドア・ヘルス・ネイチャーという4つのテーマで地域の魅力をアピールしています。

新ゴールデンルート

新ゴールデンルートは、京都・広島・松山と瀬戸内海をめぐる観光周遊ルートです。

もともとは松山市が提唱した観光戦略「瀬戸内・松山構想」に基づき開発されたルートで、2013年には観光庁により国策ルートとして承認されました。
このルートでは、京阪神から新幹線と在来線で広島の呉港まで行き、そこから高速船で松山観光港へわたります。帰りは松山から特急で岡山へわたり、新幹線を乗り継いで京阪神へ戻ります。
「松山・広島割引きっぷ」を使うことでお得に周遊することが可能です。同じルートを戻ってくることはできませんが、逆回りもできます。
このルート上には、京都の二条城・兵庫の姫路城・愛媛の松山城など人気の高い城があるほか、瀬戸内海クルーズや温泉めぐりも楽しめます。

サムライルート

サムライルートは、名古屋または松本から飛騨高山・白川郷を経由して北陸へ向かう観光周遊ルートで、ヨーロッパの旅行会社によって命名されたと言われています。

日本ではあまり馴染みのない名称ですが、大都市にはない日本の原風景に出会えるルートとして、ヨーロッパからの旅行客に根強い人気があります。
奥飛騨温泉郷・高山祭・世界遺産白川郷の合掌造りなどをめぐって、歴史的建造物・文化・自然とふんだんに触れ合え、他の観光周遊ルートよりも訪れる人が少ないため、落ち着いて観光できるというメリットもあります。

ドラゴンルート

ドラゴンルートは、愛知・岐阜・富山・石川と、中部地方を北へ縦断する、比較的新しい観光周遊ルートです。

能登半島の形を龍の頭に見立て、中部地方を北上する道筋が昇り龍に見えることから、昇龍道(ドラゴンルート)と名付けられました。
北陸新幹線の開通によって交通インフラが整い、縁起のよいネーミングも相まって、注目を集めています。
このルートでは、日本ならではの伝統文化・自然・めぐまれた食材・温泉など、数えきれないほどの魅力に出会えるほか、地域の人々との触れ合いをとおして日本の文化と深く接することができます。

初めて日本を訪れる外国人観光客とリピーター外国人観光客との違い

初めて日本を訪れた外国人観光客と、訪日2回以上のリピーターとでは、どのような違いがあるのでしょうか。
観光庁の調べによると、年齢層が高い旅行客の方が、リピート率が高いという結果が出ています。
日本での滞在日数に関しては、訪日回数が多いほど3日以内の割合が高くなる一方で、1週間以上という長期滞在の割合も高くなる傾向があります。結果として、訪日回数にかかわらず、平均滞在日数はほぼ同じです。

1人当たりの旅行支出総額は、訪日回数が多くなるにつれ増える傾向にあり、買い物に使う金額は、ほとんどの種類の物品において、10回以上訪日した外国人観光客が圧倒的に高い結果となっています。
そのような中でも、キャラクター商品だけは、訪日回数が2~9回の観光客の購入額がトップという結果が出ています。
また、デパート・複合商業施設・スーパーマーケットの利用割合は、訪日回数を重ねるにつれ高くなるようです。
このほか、日本国内のツアーパッケージに参加する割合は、訪日回数にかかわらず同じです。

出典:観光庁「訪日外国人消費動向調査

 

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日本が初めての外国人観光客に人気のスポット

日本は初めてという外国人観光客に人気のスポットは、どのような場所なのでしょう。
ここでは、観光周遊ルートで通るスポットを中心に、人気が高い理由と併せてご紹介します。

浅草寺|東京都

東京の代表的な観光名所として知られる浅草寺は、1,400年近い歴史を持つ都内最古の寺院です。総門である雷門は、赤く華やかな外観と「雷門」と書かれた巨大な提灯が大迫力で、写真映えするスポットとして人気です。お水舎で身を清めたり、常香炉の煙を浴びて邪気を祓うといった参拝の行為一つひとつも楽しめます。

仲見世通りのレトロな店で買い物や食べ歩きをしたり、レンタルの着物を着て人力車に乗ったりと、日本ならではの体験がこの界隈で一度にできることも大きな魅力です。

参考:浅草寺公式サイト

チームラボ|東京都

チームラボは、最新テクノロジーを利用したデジタルコンテンツを開発する集団で、今、世界中から注目されています。
東京の豊洲と麻布台にそれぞれ、チームラボプラネッツとボーダレスがあり、特にチームラボプラネッツは観光地としての人気が非常に高いことで知られています。Googleの検索ランキングにおいては、2023年の美術館部門で5位に入るほどの注目度です。

チームラボが人気な理由は、何といっても来場者自身が五感をつかってアートを楽しめる点です。光や水の中を歩いたり、飛び跳ねたり寝転がったりなど、全身でアート作品に没入できます。

館内の案内は英語を優先し、日本とは文化が異なる人々にも館内のルールを守ってもらえるよう施策を行っています。
来訪者の7割を外国人観光客が占めるため、レビューの多くは外国人観光客によるものです。定期的にアンケートを取り、毎月のように何らかのアップデートを行うことで、より多くの方が楽しめる施設に改善されています。

参考:チームラボ

箱根|神奈川県

東京都内から小田急ロマンスカーに乗れば75分ほどでたどり着く箱根は、多くの外国人観光客が訪れるスポットです。
古くから温泉地として人気があり、芦ノ湖でのアクティビティや箱根湯涌園のキャンプ&スパで大自然との触れ合いもできます。また、民芸品や和菓子・洋菓子などの買い物や美術館めぐりが手軽に楽しめるのも魅力です。
時期によっては観光客が多すぎてゆっくり観光できないという声もありますが、それを差し引いても箱根は、訪れてよかったと思わせてくれる魅力ある観光スポットです。

参考:箱根町観光協会公式サイト

富士山|静岡県

富士山は「信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産に登録されており、日本を象徴するスポットとして人気です。歌川広重や葛飾北斎の浮世絵に描かれていることでも知られ、ゴールデンルートでも通過するため、多くの外国人観光客が訪れます。
世界文化遺産の構成資産は、登山道などの富士山域を含め25か所。富士山本宮浅間大社・山中湖・河口湖・白糸ノ滝・三保松原などの、周辺の巡礼地があります。それぞれに見どころがあって、人気の観光スポットです。

参考:富士登山オフィシャルサイト

清水寺|京都府

清水の舞台で有名な清水寺は、京都を訪れる外国人観光客の6割以上が訪れる日本屈指の観光名所で、世界遺産にも登録されています。
二寧坂・三年坂などの坂をのぼった先にあるため、辿りつくまで大変ですが、清水の舞台の上は京都の街並みを見わたせる絶景です。春は桜、秋には紅葉が美しく、外国人観光客の間では紅葉をバックに撮影するのが人気です。季節ごとに行われる夜のライトアップも見逃せません。
周辺の道には露店が並んでおり、京都ならではのお土産物やお菓子が購入できます。

参考:音羽山 清水寺

道頓堀|大阪府

ゴールデンルートの西の終点・大阪の道頓堀は、食い倒れの街として有名です。飲食店が非常に多く、たこ焼きやクレープを食べ歩きする外国人観光客が大勢います。食べ歩きは時間を取らず、写真を撮ってSNSに投稿することもできるため人気です。
また道頓堀には、船に乗って街をめぐる「とんぼりリバークルーズ」という観光船もあります。大阪の魅力が詰まった道頓堀周辺の街を20分ほどで満喫できるミニ・クルーズで、こちらも外国人観光客からの人気が高まっています。

参考:道頓堀商店街

鶴ヶ城|福島県

ダイヤモンドルートで通過できる鶴ヶ城は会津若松にある城で、幕末に最後まで武士の誇りを貫いた会津藩のシンボルです。
鉄分の多い釉薬を用いた赤瓦が特徴で、春は夜桜、秋は紅葉とともに、天守閣がライトアップされます。
このエリアは本物志向の外国人観光客に人気のスポットで、周辺には千利休が建てたとされる茶室や大内宿という茅葺の宿場町があり、お茶を飲む・宿泊するなどの体験型コンテンツも楽しめます。

参考:鶴ヶ城(会津若松城)

広島平和記念資料館|広島県

新ゴールデンルートで通過する広島平和記念資料館にも、多くの外国人観光客が訪れます。
日本は世界で唯一の戦争被爆経験がある国として知られていますが、2023年に開催された先進7か国首脳会議(G7広島サミット)でさらに関心を持つ人が増え、連日多くの外国人観光客が足を運ぶようになりました。
広島の被爆前の姿と被爆時の惨状、その後の歩みを記録した資料館で、近くには原爆ドームもあります。こちらは原爆投下地点近くの建造物の惨状を保存したもので、今なお見る人に原爆の悲惨さを訴える貴重な遺構です。

参考:広島平和記念資料館

白川郷|岐阜県

サムライルートで通過する白川郷は、世界遺産に登録されている合掌造りの集落です。大小さまざまな百棟余りの合掌造りがあり、今でも生活を営む人々がいることで知られています。
中には宿泊できる合掌造りもあり、飛騨牛・朴葉味噌など、地元の食材を使った料理や、雄大な自然を体感するアクティビティも楽しめるのが魅力です。
また、近くにはアニメ「ひぐらしのなく頃に」に登場する神社のモデルとされる、白川八幡神社があり「聖地巡礼」に訪れるアニメファンも多く見られます。

参考:白川郷観光協会

 

リピーターからの人気が高いスポット

日本を訪れる外国人観光客の中でも、リピーターからの人気が高い観光地はどのような場所なのでしょう。
観光庁の調べによると、リピーターには次のような特徴が見られます。

  • 温泉を体験してみたい
  • 美味しい日本酒を飲みたい
  • 好きなキャラクターグッズを購入したい
  • 日本のファッションを楽しみたい
  • スキーやスノーボードをしたい、スポーツ観戦をしたい

このような視点から、リピーターに人気の観光地をご紹介します。

草津温泉|群馬県

これまで草津温泉はアジア圏からの観光客に人気がありましたが、近年急速に、欧米諸国からの人気が高まっています。
そのきっかけは積極的な情報発信です。草津温泉の観光協会はPR動画の配信やSNSを活用して、草津の魅力を知ってもらうためのプロモーションを展開しました。
また、老舗ホテルでも多言語に対応した案内を導入し、インバウンドの集客に力を注ぐようになりました。その甲斐あって、これまで情報が届いていなかった欧米諸国からの人気が高まっているのです。
もともと草津は広大な湯畑や湯もみ、ひもかわうどんをはじめとするご当地グルメなど、観光資源が豊富な観光地でした。その魅力を世界に向けて発信することで、外国人観光客の心をつかんだのです。

城崎温泉|兵庫県

城崎温泉は京都からのアクセスが比較的容易な立地にあり、観光の後に宿泊するという旅程を組みやすいスポットです。中心部を美しい川が流れる温泉街はしっとりと情緒あふれる雰囲気で、まさに、街全体がひとつの大きな宿だといえます。
7つある外湯はすべてタトゥーがあっても入れる温泉で、タトゥーのある外国人観光客でも気兼ねなく利用できるのが魅力です。そういった点からもリピーターに支持されていると考えられます。

参考:城崎温泉観光協会

今代司酒造|新潟県

新潟を訪れる外国人観光客に人気のスポットといえば、まずスキー場が挙げられますが、それに次ぐ人気を誇るのが、日本酒の酒蔵です。
新潟駅から徒歩15分ほどの立地にある今代司酒造は、体験型コンテンツとして人気が高い酒蔵見学を提供しています。見学料金は無料で、予約も必要ありません。英語ガイドの設置もあります。季節のお酒が無料で試飲でき、追加料金を払えば、さらに10種類以上の日本酒が試飲できます。
「ここでしかできない試飲」「ここでしか買えないお酒」という、この場所限りのコンテンツが注目されており、海外のレビューサイトでの検索順位も上位です。
また、純米酒「錦鯉」のパッケージデザインは海外で数々のデザイン賞を受賞しており、その日本的な美しさから、お土産として買い求められることも多くあります。

参考:今代司酒造

秋葉原|東京都

秋葉原は電気街やアニメ漫画文化の街として有名です。通りを少し歩くと、そこにはメイドカフェやコスプレ用品の店が並ぶオタク文化の街が広がっています。
外国人旅行客の中でも特にリピーターはキャラクターグッズの消費が多く、そうした旅行客にとって秋葉原は外すことのできない観光スポットだといえるでしょう。
人気の観光地である浅草や成田空港からも比較的アクセスしやすく、観光に適したエリアです。

原宿|東京都

ファッションの街である原宿は、kawaiiの聖地としても知られ、日本へのリピーターが多く訪れる観光スポットです。特に、竹下通りはファッションの中心地として非常に人気が高いエリアです。
通りによって集まっている店のコンセプトが異なることも特徴で、中高生に人気が高い竹下通りや、少しコアなお店が並ぶキャットストリートなど、個性的な通りを見て回るだけでも楽しめます。
また、ファッションの街という面だけでなく、歴史と文化に触れられる明治神宮や緑豊かな代々木公園などもあり、そうした複合的な雰囲気も原宿エリアの魅力となっています。

富良野スキー場|北海道

これまでは「北海道でスキーを楽しむならニセコ」というイメージが強かったのですが、近年は富良野スキー場の人気が高まっています。
富良野盆地特有のふわふわサラサラした上質な雪と、安定した気候が人気の理由です。
また、街全体があまり商業的ではなく「地元のスキー場」感が強いところもニセコとは異なり、リピーターから好まれています。
富良野では、日本の文化を知ってもらうために、おもてなしのイベントも開催し、外国人観光客との交流をはかっています。

外国人観光客が日本の観光スポットを選ぶときのポイント

外国人観光客に人気の観光スポットは数多くありますが、その中から実際に足を運ぶ場所を決める際は、どのような観点で選んでいるのでしょう。
ここでは、外国人観光客が日本の観光スポットを選ぶときのポイントについてご紹介します。

旅の目的や滞在先から広げる

まずは、旅の目的や滞在先から、どこへ旅行に出掛けるかを決めるという選択方法が挙げられます。日本滞在中に生活の中心とする予定の場所から、アクセスしやすい場所へと広げていくのです。
その際、ゴールデンルートやサムライルートなどの観光周遊ルートを選択すれば効率よく観光ができますし、そこから少しはずれることで、自分だけのレアな体験をすることも可能です。

日本ならではのニーズから選ぶ

つづいて、日本ならではのニーズから選ぶ方法もあります。ニーズとしては、以下のような内容が挙げられます。こうしたニーズに応えるさまざまなコンテンツが各地で提供されており、旅行者は自身に合ったものを選べるでしょう。

  • オリエンタル(神社仏閣や古民家をめぐる)
  • デリシャス(ラーメン、居酒屋、屋台で味わう)
  • ネイチャー(自然や里山を体験する)
  • リアル(地元の人と交流し、日常の暮らしに触れる)
  • クール(歌舞伎町、秋葉原、アニメなど、日本ならではの文化を楽しむ)

まとめ

人気の観光周遊ルートは、以前から人気のあるゴールデンルートだけでなく、ダイヤモンドルートやドラゴンルートなども開発され、注目を集めてきました。
旅行における消費対象がモノからコトへと移り変わっていく中で、今後も新たな観光スポットや周遊ルートが生まれることでしょう。

このような旅行者を取り入れるには、外国人観光客が日本の観光地を選ぶときに何を優先しているかを知り、それに合わせた施策を取ることが重要です。
各観光地の施策を参考にし、対応してみるとよいでしょう。

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外国人旅行客を誘致したいと考えている場合には、ぜひ検討してみてください。

 

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