多くの場合、企業がWebサイトを運営する目的として、商品の宣伝、会社案内、人材募集などが挙げられます。そして、ユーザーによる商品購入、資料請求、求人応募の増加などが最終的な目標となるでしょう。しかし、同じような目的でほぼ全ての企業がWebサイトを開設している昨今では、常にサイトの改善を続けなければユーザーにアクションを起こしてもらうのは非常に困難です。そこで、カギになるのがUIです。今回は、UIの重要性、WebサイトのUIを改善することでどういったメリットがあるのか、ユーザーにアクションをしてもらうためにはどういった改善が必要なのかについて考察します。
User Interface(ユーザーインターフェース)の略である「UI」。Webサイトにおいては、運営者と訪問者の接点を指し、Webサイトに訪問したユーザーの目に触れる、画像、フォント、テキスト、デザインなどすべての部分がUIとなります。そして、このUIはWebサイトで商品の販売や求人、あるいは資料請求の増加といった目的を果たすうえで非常に重要であるといわれています。
例えばスーパーを訪れた際、通常は、店頭に置かれた商品の陳列具合、設置されているポップ、表示価格などのほか、実際に商品を手に取ったときの感触、重さ、質感などが購入を決定する要素となります。しかし、Webサイトにおいては、実際に手に取って商品を見ることができないため、そこにあるデザイン、フォント、画像やコンテンツの内容でのみ購入するかどうかの判断をしなければなりません。
これはECサイトに限らず企業サイトであっても同様で、対面で会話するわけではなく、ユーザーは目に入る情報のみで資料請求や求人への応募を行うかどうかを決定します。その際、コンテンツの内容が良いことが重要であることは間違いありませんが、それだけで多くの競合のなかから自社を選択してもらえるとは限りません。なぜなら、UIに問題があることで、読みづらい、目的のページにたどり着けない、ボタンがどこにあるか分からないといったユーザーにとって不都合なことが生じれば、ユーザーはUIの分かりやすい競合のWebサイトに移動してしまうからです。
もちろん、UIの良しあしだけでWebサイトの価値が決まるわけではありません。しかし、競合のWebサイトと比較してコンテンツの内容が変わらなければ、UIが使いやすいことで選択される可能性が高まることは十分にあります。こうしたことから、コンテンツの内容を充実させるのと同時にUIの改善を行うことは、Webサイトで成果を上げるためには欠かせない施策のひとつと言ってもよいでしょう。
WebサイトのUIを改善するうえで、まず思い浮かぶのは、デザインやフォント、テキスト、画像の量や配置といった見た目の部分ではないでしょうか。背景の色とテキストの色がかぶって読みづらくなっていないか、サイトマップやグローバルメニューが分かりづらく迷子になってしまわないかといったことは、すぐにでも改善が可能な部分です。
また、分かりやすさや見栄えを追求するために画像を増やしすぎるのも注意が必要です。パソコンだけではなく、スマートフォン、タブレットからも閲覧されるため、閲覧環境によっては表示時間がかかり、そのまま離脱されるリスクが生じるからです。そのため、パソコンとスマートフォン、タブレットでは表示させるものを変えるといった配慮も必要です。
そして、見た目、閲覧デバイスの違いへの配慮を述べましたが、その前に、やるべき重要なポイントがあります。それは、ターゲットを絞り、そのターゲットに何をどう伝え、どういったアクションをしてもらいたいのかを考慮し、ユーザーに合わせたシナリオを作ることです。
商品購入、資料請求、求人応募など、ユーザーの目的が何であっても、基本的に1回の訪問で完結することはほぼありません。そのため、ユーザーが複数回訪問することを前提に、「興味関心を持つ」、「比較検討する」といった段階に合わせて最適なコンテンツへ誘導し、最終的なゴールにたどり着くシナリオを考えなくてはなりません。そのうえで、Webサイト内でユーザーが求めるコンテンツへ効率的に移動できるようなデザイン、ボタンの配置など、UIの要素を決めていきます。
あくまでもシナリオありきで見た目の改善を行うことが重要であり、見た目の良さだけを考えてUIの改善を行わないよう注意が必要です。見た目優先にすると、誰に何を伝えたいのか、どうしてほしいのかが明確にならず、成果を上げることは難しくなってしまうでしょう。
UIを改善する最大の目的は、ユーザーに商品購入、資料請求、求人応募といったアクションを起こしてもらうことです。具体的には次のような方法でUIを改善していきます。
アクセス解析やヒートマップなどを使い、ユーザーの行動履歴、ページのなかでどの部分が最も見られているか、どのボタンが押されているかといったことを調べ、それに応じてデザインやボタンの配置、大きさ、文言を改善していきます。
ボタンの色、形、ボタン上に記載する文言などについて、何種類かのパターンを用意し、ABテストを行います。基本的にUIの改善は、1回ですぐに結果が出ることは少なく、計画、実行、評価、改善のPDCAのサイクルを回していきながら、最適解を探っていきます。デザインのトレンドや競合サイトの動向を見つつ、ABテストを繰り返すことが、UI改善の基本です。
ツールの活用やABテストを繰り返すうちに、最初に考えたシナリオどおりになっていないのがわかることもあります。その際は、いったん改善をストップし、シナリオの修正を行います。前項でもご説明したように、UIの改善はシナリオありきで進めることが重要です。改善途中でもシナリオと現実のユーザー行動にずれが生じてくれば、その時点で見直し、修正することを優先しなければなりません。
上記、3つの方法でUIの改善を行っていきますが、もう一点、重要なポイントがあります。それは、ユーザーが求める情報を求めるタイミングで表示させることです。前項で、ユーザーの段階に応じ、最適なコンテンツへ誘導できるようなデザインが必要としましたが、そのためにはユーザーごとにパーソナライズしなくてはなりません。しかし、それを手作業で行うことは難しいため、レコメンドツールを活用し、自動でユーザーのタイミングに合わせた情報提供を行えるようにします。
おすすめは、イー・エージェンシーが提供するレコメンドツール、Contents Recommend(コンテンツレコメンド)。パーソナライズ機能やランキング機能を用い、ユーザーを迷わせることなく、効率的に目的のコンテンツへ誘導することが可能になります。
Webサイトのデザインには流行もあり、常に最適解は変わっていきます。しかし、流行だけを気にしてデザインを合わせていったとしても、それで離脱率が減り、ユーザーがアクションを起こしてくれるようになる可能性はそれほど高くはありません。それ以上に重要なことは、誰に何をどういった形で伝えるのかを明確にしたうえで、ユーザーが情報を求めているタイミングでその情報を提示することです。
そこで便利なのが、ユーザーの行動履歴(閲覧履歴、コンバージョン履歴)、訪問回数などにより、自動でおすすめの情報を提供できるイー・エージェンシーのContents Recommend(コンテンツレコメンド)。コストを抑えつつ、ユーザー一人ひとりに合ったページ表示を実現します。自社WebサイトのUI改善で悩んでいるのであれば、ぜひ改善策の一環として、Contents Recommend(コンテンツレコメンド)導入を検討されることをおすすめします。
参考:
UIの基本と、設計方法│UI改善で成果6倍!|LISKUL
あわせて読みたい関連記事