コラム
近年、ECサイトはメディア機能を取り入れた「メディアEC」「メディアコマース」へと進化してきました。
メディアEC・メディアコマースは、「消費者が求める情報提供」と「スムーズな購買体験」を組み合わせたECモデルです。
具体的には、メディア（記事、動画、SNS投稿など）の情報提供とECを融合させたビジネスモデルで、コンテンツを通じて商品やサービスの魅力を伝え、そのまま購買へと誘導します。情報提供を目的としたメディアに購買行動を促進する導線を組み込み、ユーザーに価値ある体験を提供することで売上を拡大するという仕組みです。
ECサイトは、単なる商品販売プラットフォームから、ブランドや商品に関する価値観や背景を伝えてブランド体験や顧客との深い関係構築を重視する方向へと発展しています。
「買うだけ」のECサイトから「共感」のメディアECへ
ECサイトがメディアECやメディアコマースと呼ばれる形に進化した背景には、消費者が商品に関する情報を深く求めるようになったことと、企業にとっては情報収集段階からアフターサービスまで、消費者との接点が増えたことが作用しています。ECサイトが普及する中で、消費者は商品説明にとどまらず、使い方ガイドやレビュー、商品の利用シーンなど、付加的な情報を求めるようになりました。
また、商品情報へのアクセスが容易になるにつれ、消費者は商品の品質や価格だけでなく、ブランドの価値観や背景にも注目するようになりました。「共感」が購買動機の重要な要素となり、企業はSNSなどを活用してブランドの理念やストーリーを伝える取り組みを強化しました。その結果、ECサイト内では商品の背景や開発ストーリー、ライフスタイル提案を含むコンテンツが充実し、SEO対策の観点でも重要性を増しました。
さらに、メディア内に直接購入リンクや商品カートを設置し、購買行動に直接つながる形態も受け入れられるようになり、ライフスタイルや趣味などに基づくキュレーション型メディアとの統合や、インフルエンサーの活用も盛んになりました。こうした進化により、メディアECは単なる商品販売の場を超え、ブランドの世界観や価値観を共感してもらう「ブランド体験」を提供する重要なチャネルとなっています。
ECサイトをメディアEC化することで、商品背景やストーリーを伝えてブランド価値を高めるとともに、SEO効果や新規顧客の獲得、客単価の向上、広告費の削減が期待できます。また、ユーザーとの関係を深め、リピーターを増やす効果もあり、競合との差別化にもつながります。
メディアECの課題と問題
メディアECの運用によるメリットは大きいものですが、信頼に足る情報を多く発信し続けることが求められるため、以下のような課題があります。
1. リソース不足
高品質なコンテンツ制作には専門知識や時間、費用が必要です。リソースが不足すると、更新頻度が低下しユーザー離れにつながる可能性があります。
2. SEO対策の難しさ
検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に更新されるため、SEOに適したコンテンツ制作が難しくなっています。特に、ターゲットキーワードの選定や競合との差別化が不十分だと、検索上位に表示されず、流入が期待できません。
3. コンバージョン率の低さ
アクセス数が増加しても、コンテンツが購買や問い合わせに結びつかない場合があります。これは、コンテンツと商品ページの連携が不十分だったり導線が不明確だったりするためで、明確かつスムーズな導線設計が必要です。
メディアEC運用では、高品質なコンテンツ制作やSEO対策に多くのリソースが求められます。また、明確な導線設計が欠けていると、せっかくのアクセスが購買や問い合わせにつながらないこともあります。これらの課題を克服するための対策が必要です。
レコメンドによる導線設置でスムーズにECサイトへ送客
メディアECを運営するご担当者様から『さぶみっと！レコメンド』に寄せられるお問い合わせの多くは、メディアを運用してアクセスは順調に増やせたが購買に繋がらないので改善したい、というご相談です。
特定の商品について掘り下げたコラムやストーリーであれば、その商品への導線を準備すればよいのですが、一般的な話題をまとめた記事や大きなテーマを取り上げた記事の場合、どのような商品への導線が効果的なのかを判断するのは難しいものです。
質の良い記事を作ることができ、多くのユーザーのアクセスを集めることができたにもかかわらず、紹介されている商品が適切でなかった場合、ECサイトに誘導できる可能性は下がってしまいます。
そんなとき、レコメンドエンジンを活用し、その記事と関連の深い商品や、よく一緒に見られている商品を案内できれば、より多くのユーザーの興味を引くことができます。このように、レコメンドエンジンの導入により「スムーズな導線設計」が実現し、購買機会を増やすことに繋がります。
レコメンド導入で、作業工数に関する課題も解決
読み物・メディアからECサイトへの導線を改善する以外にも、レコメンド導入によって解決できることがあります。
ツールを利用せず、記事やコラムに商品へのリンクを設置する場合、記事を作成するたびに手動作業が発生します。また、その商品が売り切れたら商品の削除や入れ替えをしなければなりません。せっかく記事やコラムをきっかけに商品に興味を持ってもらったにもかかわらず「商品がない」「リンク切れ」では、かえって信頼を落とすことになります。レコメンドエンジンを利用すれば、おすすめ商品が自動で表示され、売れ切れや終売した商品は自動で非表示になるため、管理の手間が大幅に軽減できます。
『さぶみっと！レコメンド』の活用事例
株式会社イー・エージェンシーが提供するECサイト向けレコメンドエンジン『さぶみっと！レコメンド』のメディアECにおけるご活用事例を紹介します。
読み物ページに「よく一緒に見られている商品」としておすすめを設置した結果、ある月では、記事サイトのレコメンドを経由してECサイトに遷移した割合が約12％に上り、送客の目的を果たせていると実感されたとのことでした。
また、運営者が想像していなかった商品がおすすめされることもあり、その記事・コラムを読んだユーザーがどんな商品に興味を持っているのかを知るきっかけになった、とのことでした。運営者目線では記事と関連が高くないと捉えられてた商品が、意外にもクリックされているという結果から、他の商品との出会いを促していることがわかったそうです。
『さぶみっと！レコメンド』は、全ユーザーの行動履歴を基にレコメンドデータを生成し、関連度や注目度の高い商品を表示するため、思いがけない商品がおすすめされることがあります。検索窓にキーワードを入力したりカテゴリ一覧から絞り込んだりという探し方だけでは見つけられなかった商品との出会いが、ショッピング体験をより楽しいものにします。
まとめ
メディアECを運用するうえでレコメンドエンジンを導入するメリットは、メディア側だけにとどまりません。記事・コラムと商品間の導線改善や商品管理の効率化、新たな商品との出会いの創出といった特長は、ECサイト側においても、サイト内回遊を促し滞在時間を上げ、購入率を改善するために活用できます。
『さぶみっと！レコメンド』は、「よく一緒に見られている商品」「よく一緒に買われている商品」といったおすすめはもちろん、ユーザー1人ひとりに合わせたパーソナライズレコメンドも可能です。また、AIレコメンドでは購入しそうな商品を予測しておすすめ表示することもできます。そのほかにも標準的で使いやすい機能がそろっているうえに導入コストが軽く、月額も抑えた設定になっています。加えてECサイト、メディアサイトの両方において豊富な導入実績があります。
『さぶみっと！レコメンド』は、最大2ヶ月間の無料トライアルも実施していますので、導入の検討をされてみてはいかがでしょうか。
また、メディアからECサイトへどのような導線が設置できるかは、ショップやサイトによりますので、まずはサポートまでお気軽にご相談ください。
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