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オウンドメディア運営におけるKPIの意義とは? KPI設定のポイントについても解説
自社で所有し、情報を発信するメディアのことを「オウンドメディア」と呼びます。オウンドメディアを運営するには、最終的な目標を設定して取り組むことが重要です。最終目標を達成するために設定した、段階ごとの数値目標を「KPI」といいます。
当記事では、オウンドメディア運営とKPIの関係について説明します。また、KPIを設定する際のポイントも解説します。
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業や法人が自社で所有するメディアのことです。広義でとらえると、オウンドメディアにはパンフレットや広報誌のほかSNSも含まれますが、Webマーケティングにおけるオウンドメディアは、ほとんどの場合Webサイトやブログのことを指します。
自社から情報を発信できるメディアとしては、このほかに、他社サイトに費用を支払って記事や広告を掲載してもらうペイドメディア、自社で運営しているSNSアカウントのようなアーンドメディアがあります。
オウンドメディアのKGIとKPIの関係
オウンドメディアは、広告費などの費用をかけずに集客し、質の良いコンバージョンを獲得して目的を達成しようというものです。新規のWebサイトを公開してもすぐにアクセス数が伸びないのと同様に、メディア公開後、効果を実感したり目標を達成できたりするまでには時間がかかります。また、公開までにはたくさんのステップがあり、運用にもそれなりに手間がかかりますが、軌道に乗れば強力なツールとして活用できるだけでなく一度作成したコンテンツは自社の貴重な資産にもなります。
長期間にわたる施策となるため、計画をしっかり立てて取り組むことが大切です。計画には、最終目標であるKGI(Key Goal Indicator)と、それに向けて何をいつまでに実行しどのくらい達成すればよいのかを示したKPI(Key Performance Indicator)の設定が重要になります。
KGIとはオウンドメディアで達成すべき最終数値目標
KGIとは「Key Goal Indicator」の略称で、最終的な達成目標を指し、そのオウンドメディアの目的を明確に数値化したものです。オウンドメディア運営におけるKGIの具体例を、以下に挙げます。
- 問い合わせ件数○%アップ
- 年間○○億円の売上達成
- 年間○○件の新規契約獲得
- リピーター率○%以上
これらのKGIを達成するために必要な各要素について、中間指標として明確化したものが後述のKPIです。
KPIとはKGI達成のための数値目標
KPIとは「Key Performance Indicator」の略称です。
KPIを設定するときには、KGIを達成するための要素を分析し、細分化していく「ロジックツリー」というフレームワークを使用するとよいでしょう。KGIを達成するのに必要なことを階層状に分解していき、それぞれに数値目標を設定してKPIとします。
一般的には、立ち上げ期・運営中期・活用期というようにいくつかのフェーズに分け、そのフェーズごとに段階的なKPIを設定します。オウンドメディアは、成果が出るまで長期的な施策が必要とされ、とくに立ち上げ期には効果が実感しづらいということもあります。
KPIを設定しておくことで、長い道のりのなかで自社が定めた目標に対してブレずに計画通り進んでいるかを都度確認することができます。
オウンドメディアのKPIの具体例
ここからは、オウンドメディア運営におけるKPIの具体例を8つ紹介します。
1. 記事数
オウンドメディアの立ち上げ期において、記事数は重要なKPIのひとつです。ある程度の記事数があると多くの情報をユーザーに提供でき、集客の間口が広がります。とはいえ、質の低い記事をいくら量産しても流入には繋がりません。
ユーザーがメディアサイトに立ち寄る一番の理由は、情報を得ることです。ユーザーが求める価値のある情報が書かれた記事を、網羅的に作成していきましょう。
特にサイト立ち上げ期は記事の検索順位を上げていく必要があります。サイト全体に対する検索エンジンからの信用度と評価を高めるためにも記事を増やすことが重要となるため、記事数をKPIとして設定することが多いです。
2. UU(ユニークユーザー)数
UU数(ユニークユーザー数)とは、ページを閲覧したユーザーの人数です。閲覧回数ではなく人数を指すため、同一ユーザーが複数回閲覧した場合にはUU数は1として数えます。UU数は、オウンドメディアの集客状況の変化がみられるKPIです。
SEO施策がうまく機能していたり、記事の品質が高いと検索エンジンから判断されたりすると、UU数は増える傾向にあるため、集客施策の効果を見極める際に有効なKPIと言えます。
3. PV(ページビュー)数・セッション数
PV(ページビュー)数はページの閲覧数です。同じユーザーがサイトに2回訪問して、5つの異なるページを見た場合のPV数は5です。これに対してセッション数は、Webサイトへの訪問数を表します。先ほど挙げた例でいえばUU数1、セッション数2、PV数5となります。
PV数とセッション数をKPIとして設定すると、外部から呼び込んだユーザーがオウンドメディア内で残した行動履歴の分析が可能です。また、PV数÷セッション数で回遊率という指標を求めることもできます。回遊率は、ユーザーがサイト内にどの程度留まり、どの程度のページを閲覧したかを示す指標です。回遊率改善施策としてはレコメンドの導入などが効果的です。
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4. 滞在時間
滞在時間とは、ユーザーがサイトにとどまっていた時間です。魅力的で興味の湧く情報を提供できていれば、ユーザーの滞在時間は伸びるでしょう。
一方でページの視認性が悪かったり、記事を読んだ後の導線設計が整っていなかったりすれば、ユーザーはすぐにサイトから離脱してしまい、滞在時間が短くなる恐れがあります。滞在時間が長いサイトはユーザーニーズを満たしているケースが多く、結果的にSEOで良い評価を得られる可能性が高いと考えられます。
レコメンドを利用すると、おすすめ記事が表示されることで今読んでいる記事の読了後に別の記事へとスムーズに遷移してもらえるため、滞在時間を伸ばすためのアプローチとしても効果的です。ユーザーの嗜好にあわせた情報を的確に提供できれば、コンテンツへの興味を維持することができます。
5. 検索順位
検索順位(検索結果順位)は、キーワード検索した際の検索結果で自社サイトが表示される順位のことです。
せっかく作った記事も読まれなければ意味がありません。読んでもらうためには星の数ほどあるWebサイトの中からターゲットユーザーに記事を見つけてもらわなければなりません。そのためには、狙ったキーワードによる検索順位の上昇を目指すSEO対策が重要です。検索者の意図を汲んだ高品質な内容の記事を作成したり、サイト内の導線設計をしたりして、ユーザーにとって有益なサイトを作ることが結果的にSEO対策となり、検索順位を上げることに繋がります。
公開した記事は、検索エンジンのクローラーによって順位付けの評価に必要なサイトの情報収集が行われ、検索エンジンの独自アルゴリズムが評価を行い、検索結果の順位が決まります。
検索結果の上位に表示されるためには、「興味深く有益なサイトにする」ということが重要です。具体的には、読みやすい、独自性がある、新しい情報である、信頼性が高い、などがポイントになります。UU数・PV数・セッション数・滞在時間等は、サイトがユーザーにとって使いやすく有用なものとなっているかを推測できる指標ですので、併せてチェックしていきましょう。
またコンテンツの内容だけではなく、サイトの構造やURLを整理したり、検索キーワードを明確化したりすることで、検索エンジンからの評価も高めていくことができます。
6. オーガニック流入数
オーガニック流入数とは、検索結果に表示される広告以外のオーガニック検索枠からサイトに流入したユーザー数であり、純粋なキーワード検索結果経由でのアクセス数を評価するKPIです。
広告などの費用がかかっていない流入であり、またオーガニック流入数が多いページは、高品質であるとも判断できるため、オウンドメディア立ち上げ初期から増やしていきたい指標です。
オーガニック流入数を増加させる施策としては、新規記事の更新や既存記事のリライトが効果的です。ユーザーの検索意図を正しく把握し、それに合わせてSEO対策を講じた記事の作成を繰り返すことで、検索順位は高くなります。
既存記事についても、定期的に内容の見直しを行い品質を高め、オーガニック流入数を増やしましょう。
7. CV(コンバージョン)数
CV(コンバージョン)とは、Webサイトの成果となるユーザー行動を指し、Webサイトの種類や性質により異なります。オウンドメディアにおけるCVは、
・問い合わせ
・カタログのダウンロード
・会員登録
・メールマガジンの登録
などが挙げられます。
CV数は、Webサイトの成果となるアクションを起こした回数です。KGIとの関連度が高く、最も重要なKPIの一つです。
8. シェア数
最後に挙げるKPIの例は、SNSで自社のコンテンツがシェアされた回数を表す「シェア数」です。特にBtoCではSNSの活用でサイト訪問数の増加が見込まれるため、シェア数は重要なKPIです。
SNSへの投稿は拡散力が高く、シェア数が伸びると潜在的なユーザーに情報を届けられる可能性があります。サイトの訪問数が増加すれば、自社商品やサービスの知名度向上が期待できます。
KPIの設定はSMARTに
最終目標KGIの達成には、KPIの達成が必須です。達成できずに終わってしまう目標を設定しないために、KPIを設定する際は、下記5つの要素の頭文字をとった「SMART」の法則に従うことがポイントです。- Specific(具体的)である
KPIを誰が見ても同じように理解し、KPIを達成するための行動がブレないためにも、明確かつ具体的なKPIを設定する必要があります。
例えば、KPIを「会員登録数の増加」と設定した場合、目標が具体的ではないうえ、いつまでに何件の何の会員登録数を目標にすれば良いかわからず、目標達成の手段などすべてが曖昧なものとなってしまいます。「年間の新規メルマガ会員登録数〇件増加」のように、期日と目標数値を定めやすく、またそれに向けた施策が立てやすくなるような具体的なKPIを設定しましょう。 - Measurable(計測可能)である
最終目標であるKGI達成に向けた中間評価とも言えるKPI。KPIの達成度合いによっては、施策変更などの軌道修正が必要になる場合もあります。計測可能な内容と数値を設定し、定期的な計測と分析、評価ができるようにしましょう。 - Achievable(達成可能)である
根拠がないまたは目標数値として高すぎるなど、非現実的な目標ではなく、達成可能な範囲で取り組める、現実的な数字を設定しましょう。 - Relevant(関連性)がある
目標達成に向けて当たり前のことではありますが、最終目標とKPI、施策と目標数値など、関連性を意識した指標を設定しましょう。 - Time-bounded(期限)をつける
目標達成の期限を明確にしましょう。期限を設けることで、必達の意識が高まるほか、どのくらいのスパンで定期的な計測を行うかの計画も立てやすくなります。
まとめ
当記事では、オウンドメディアの運営におけるKPIの役割について解説しました。
オウンドメディアを立ち上げてから、最終的な目標であるKGIを達成するまでには長い時間がかかります。企画から立ち上げ、運用などの複数のフェーズに分けたうえで、それぞれのKPIを設定することで、着実にステップを踏んで最終目的を見失わずに進むことができるでしょう。
オウンドメディアを運営する上で重要となるKPIとしては、回遊率やサイト滞在時間などが挙げられます。サイトの滞在時間が長ければ長いほどコンバージョンが増えるといわれているためで、回遊率やサイト滞在時間は、間接的ではあるものの、コンバージョンそしてひいてはKGIの達成に関わってくるKPIです。
回遊率を高める一つの方法として、関連性の高いおすすめ記事や人気の記事を表示することができるレコメンドエンジンの導入が挙げられます。
オウンドメディア向けのレコメンドエンジン『Contents Recommend』は、ユーザーの行動履歴に基づき、自動でおすすめの記事を表示できたり、記事をカテゴリ別にランキングできたりと、WebサイトのPV数、滞在時間、回遊率の改善が期待できます。最大2ヶ月の無料トライアルのご用意もありますので、ぜひ導入をご検討ください。
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